ジーザスはスーパースター

何かをつくる日記

セリフのこと

わたしは割とまんがを描くのがスキである。とりわけスキなのは台詞である。まず台詞が浮かんできてその台詞の為のコマ割りと絵を入れる。漫画で一番実感できる部分は台詞に伴う感情だと思っている。絵はどんなに上手くてもそんなに伝わらないと思っている。むしろ下手な方がいいくらいだと思っている。目は実は見たいものを優先して見ている。ドキドキシーンならなおさらだ。半端にうまい人はレンズが見るように描いてしまう。貞本さんのまんがとか絵は死ぬほど上手いのにちょっと読みづらいだろ。

 

台詞はなにしろ技能がいらない。経験値や知識が多少貧しくても、なけなしのそれらを粉々に噛み砕く想像力と世界に対するバカが付くくらいの素直さがあれば台詞は出る。伝えることは愛と情熱でできている。飢えもいいかもしれないが、飢えは同じ飢えを抱えた人しか見てくれない。飢えをしのぐ愛と乾き(渇きではない)が私に世界を粉々にさせて台詞になる。だからあんましケーキが甘いとか氷が冷たいみたいな言葉にはならないけど私は気に入っている。

 

メモ/形のこと/コマのこと/隠喩のこと/骨のこと/BLのこと/関係性のこと/ヒーローのこと/学ぶこと/